薬漬け




 心の楽しみは良いである、たましいの憂いは骨を枯らす。(箴言17:22・口語訳)
新改訳聖書では「薬」という語は訳にないのですが、英語欽定訳(KJV)でも
 A merry heart doeth good like a medicine : but a broken spirit drieth the bones.
となっています。

 皆さんは、薬を毎日服用しますか?病気であったり、体の不調を訴える場合には止むを得ず服用されることでしょう。副作用などの心配があるやも知れません。しかし、あなたが全く健康な人であって、体調・体力に問題がなければ、普通に考えて毎日薬を服用することはありません。別の意味で、一時的に楽しみを与える悪い薬というのもありますが、毎日摂取すべきは食物です。
 
 しかしながら、昨今の日本は大人から子どもまで異常なまでに快楽を求める傾向があるように感じます。近頃のエンターテイメントは実に愉快です。腹の底から笑わせてくれるお笑い番組。視聴覚にうったえ刺激を感じさせるアミューズメント。巷に溢れるグルメスポットなど。

 ところが、聖書はどのように言うでしょう?心の楽しみであるそれらはなのであって依存すべきではありません。安易に楽しみを得ることはその人を薬漬けにするのと同じです。食物を摂らなければ虚弱になってしまいます。では食物とは何でしょう?2つの食物について聖書から見ましょう。

 まず第一に、それは私達が人生において取り組むべき問題です。試練、チャレンジです。
 
 …その地の人々を恐れてはならない。彼らは私たちの えじき となるからだ。(民数記14:9)
 ... neither fear ye the people of the land; for they are bread for us: (英語欽定訳:KJV)

 乗り越えるべき試練は人間を逞しくさせます。それは重すぎてはいけません。神様はそのことを良く知っておいでになります。そして私達の健全な成長を願っておられるのです。

 …神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることのできないような試練に会わせるようなことはなさいません。むしろ、耐えることのできるように、試練とともに、脱出の道も備えてくださいます。(Tコリント10:13)

 第二に、それは聖書であり、キリストです。

 人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばによる。(マタイ4:4)

 わたしがいのちのパンです。わたしに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者はどんなときにも、決して渇くことがありません。(ヨハネ6:35)

 「災い転じて福となす」という言葉がありますが、

 神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。(ローマ8:28)

 とあるように、キリストを信じ、神を愛するものには、人生で起こる様々な出来事が成長のための食物となるでしょう。あなたの日常は健康的で充実していますか?世の中が製造供給する楽しみで一時的に心を満たすよりも、喜びで日々を満たすことの出来る本当の神様に出会っていただきたい。